-握手を求められて-

 

あついものが

私の手を包み込んだ瞬間(とき)

私の

ずっと以前から

閉ざされた心の戸の奥に

潜んでいたのであろうが

すっかり忘れさられていた

思いが

一度にあふれでて

私は思わずうつむいた。

口からでた言葉は

とぎれとぎれの

「ありがとうございました」

 

涙も、さびしさも

ましてや苦しみなど

少しも感じない秋の昼下がりであった。

 

1978.9.7(木)about 12:00 文化祭、図書館にて