『世界体操』
どんなにかリラックスしたくても
いやおうなしに押し寄せる緊張感の中
集中力を高めて始める
あんなに高いところで
まるで当たり前のことかのように軽々と回る 回る
が、緊張がとぎれたその一瞬で手が空を切り
大きく歪んであっという間に落ちる
ひきつる表情と
ひきずりこまれそうな重々しい空気
あっという間の出来事
ぶれることなく
最後に最高の美に辿り着いた人だけが
放つことができる
あの弾けるような笑顔と
高らかにあげる拳が
なんともいえず誇らしく
開放感に満ちている
2011,10,16