『鯉のぼり』

 

 

隣の家のベランダに

今年も変わらず

鯉のぼりが舞う

 

そうかお隣には男の子がいたなと思い出す

 

風に揺られて

大きく

勢いよく

泳ぐ鯉のぼり

 

なんて気持ちよさそうなんだろう

 

 

決してそこから離れて遠くへ泳いでいけるわけでなく

必ずしも自分の力だけで泳げるわけでもない

 

紐でしっかりくくりつけられたベランダで
風を頼りに泳いでいるだけなのだが

 

なんて満足そうに泳いでいるんだろう

 

思いっきり泳いで

思いっきり休む

 

自分はこれでいいんだと言っているのが

今年は特に聞こえる気がして

 

風を切る鯉のぼりをいつまでも見ていた

 

2011/05/05

佳静